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こういう時は、前に出て止めないと

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[-] 私は「神巡り」の進捗管理担当……二人の間に入るのも仕事のうちだ。
[-] そう考え、私は前に出て、李さんと苑さんの間に割り込んだ。
[player] お二人とも、ちょっといいですか?
[李店長] これは「無双街」の問題だ! よそ者は口出ししないでくれ。
[player] 私は南社長に儀式の進行補助を任されてるんです。これが社員証です。
[李店長] これは……本物みたいだな。てことは、あんたが今回の「神巡り」の責任者ってことか?
[-] その言葉により、周囲の視線が一斉に私に向けられた。
[player] 私の仕事は、苑さんが今回の「神巡り」を無事に進められるようサポートすることです。みなさん、私達を信じてください。
[李店長] ……わかったよ、南社長の采配ってことなら、こっちは信じるしかない。ただし、もし次の「神招き」も失敗して「神巡り」に影響が出ようもんなら、あんたのことも南社長に報告させてもらうからな。
[李店長] 行くぞ。
[-] 李さんは、傍にいた店員達を連れて去っていった。場が収まったのを見て、野次馬をしていた住民たちも不満気に立ち去った。広い祠堂は、あっという間に静寂を取り戻した。
[花語 青] やるじゃーん!
[-] 青さんは人の流れに逆らい、私達のもとまでやって来て親指を立ててくれた。
[苑] ……助けてくれて、ありがとうございます。
[player] どういたしまして。とはいえ、「神招き」の件はやっぱり何とかしないといけませんよね。もしこのまま、ご先祖様がずっと招待を受けてくれなかったらどうなるんですか?
[苑] そうなったら、ご先祖様の意思に従うしかありませんね。
[花語 青] ……「神巡り」、やらなくなっちゃうの?
[苑] はい。嫌がるご先祖様を無理に「神巡り」に連れ出しては、きっとお怒りになりますから。
[player] ご先祖様が怒ると、どんなことが起きるんですか?
[苑] そのご先祖様に合わせた方法で、怒りを鎮めることになります。かつて無理にご先祖様をお招きし、怒りを買った村は、一年を通して悪運に見舞われ、厳しい暮らしを送ったそうです。
[花語青] ふぅん……もしこの一飜市でそんな事態になったら、麻雀で対局相手にエンドレス一発放銃して負けまくり……なんてことになっちゃったりして。
[player] それは勘弁して欲しいですね……
[苑] それはともかく、確かにもう一度ご先祖様としっかり意思を通わせ、根本的な原因を探るべきでしょう。
[player] 何か私に出来ることはありますか?
[-] 私の問いに対し、苑さんは目を閉じて、真剣に考え始めた。
十分後
[-] ……返事が返って来ないので、私は青さんに小声で尋ねた。
[player] (小声で)そんなに難しい質問だったかな……?
[花語 青] (小声で)ご先祖様関係だし、なにか降りてくるまで待たないとなんじゃない?
[-] 苑さんが目を開け、私の方を見た。とても真剣で厳粛な表情をしている。
[苑] 力をお借りしたいことが、一つあります。
[-] 苑さんは、ある衝撃的で突飛な頼み事を私に告げた。
[-] 私は、翌日にまた会う約束をし、苑さんと青さんに別れを告げ、祠堂を後にした。