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ソーダで十分

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ソーダで十分
[player]でも……やはりいいや。ソーダでも十分美味しいし。
[player]川から水を汲んで飲むってのは、確かに冒険はあるけど、濾過とか消毒とか色々面倒くさそう。まあ、テレビで見ただけなんだけどね。
[ジョセフ]ほう?冒険のために予習して来たようだな、Partnerよ。その通りだ。自然の中じゃ、特に食品衛生に気を付けなくちゃいけねえ。普段なら何でもない下痢でも、脱水症状まで発展したら大変なんだぜ?
[ジョセフ]俺でさえ、撮影以外では安全な食べ物を常備してる。
[player]そうなんだ。野外で自給自足をしてるんだと思ってた。
[ジョセフ]そういうのにこだわった時期もあったが、痛い目に遭ってな。それから、自然との賢い付き合い方を頭に叩き込んだぜ。
[player]いやいや、そこまで考えてなかったけどね。ただでさえ喉が死ぬほど乾いてるのに、そんな手間暇かけてられないなって思っちゃっただけで。ま、現代文明に乾杯ってことで!
[ジョセフ]おう!
[player]うーん。なんか喉が潤ったら、お腹が空いてきた気がする。
[ジョージ]キュ~……
私だけじゃなくて、ジョージもさっきほど元気じゃなさそうだ。木の上に留まって、周りをキョロキョロと見渡している。多分、餌になるものを探してるんだろう。
[ジョセフ]そうだな。そろそろ昼飯時だし、先に何か食べてから冒険を続けよう。何が食べたい?
[player]こういうところに来るからってことで、乾パンとかクッキーを持ってきたよ。
[ジョセフ]Nice。軽くて乾燥した食べ物は冒険に最適だ、正しい選択だぜ。
[ジョセフ]次はジャーキーやドライフルーツなんかも持ってくるといいぜ。栄養たっぷりで体にいいってのもあるが、味のある食べ物を食べると気分がよくなるしな。心のケアも冒険には必要だ。
[player]なるほど。いかに重量を削るかばかり考えてたな。今度はそういう食べ物も持ってくるようにするよ。でもジャーキーなら、ジョージのためにちょっと持ってきたよ。
[player]ジョージ~!ほら、ご飯だよー!
[ジョージ]キキッー!
ジョージはシュッとジャーキーを獲り、嬉しそうに私の肩の上で跳びはねた。
[ジョセフ]HAHA、我が相棒よ。あっという間に元気になったじゃねえか。……おまえにもすっかり懐いたようだな。
[ジョセフ]まぁ、相棒だけいいもの食ってるのも侘しいし、俺らもピクニックといこうぜ。
そう言ってジョセフはバックパックから肉の缶詰をゴトゴト言わせながら取り出した。変な話だけど、なんて美味しそうな音なんだと思った。
[player]こんなにたくさん持って来たの!?牛肉に豚肉、それにスープにスイーツまで?すごい、味も色々ある!
[player]でも、まだ初日なのにこんなに食べていいのかな?今日の夕食や、明日のぶんだって考えないといけないし、もう少し節約したほうが……。
[ジョセフ]安心しな、缶詰ならまだまだあるぜ。
自分の言葉を証明するかのように、ジョセフは缶詰を一個、またもう一個と取り出した。その手法はまるで手品のようだ。
[player]ちょ、待て待て。こんなにたくさん、どうやって持ってきたの?変な魔法でも使った?
[ジョセフ]魔法も何も、ベテラン冒険家はみなパッキングのためのノウハウを持ってるというだけさ、My Partner。
[player]ノウハウだけでどうにかなる量じゃない気がするんだけど……今のどうやったの?もう一回見せて?
[ジョセフ]OKだぜ〜。
ジョセフは手をバックパックに突っ込んだが、特に変わった動きもなく、取り出した手には新しい缶詰が握られていた。ますます手品のようだ。
[player]どういうことだってばよ……。
[ジョセフ]細かいことは気にするな、My Partnerよ。俺が何でも入る魔法のバックパックを持ってるってことにしといておけばいいぜ。HAHAHA!!!
……私たちの世界にそんな便利なものはないと思うんだけど。
[player]まぁいっか、お腹も空いてることだし、そういうことを考えるのはやめよ。……ん!ポーク缶うまっ!
[ジョセフ]そうさ!食べられる時は好きなだけ食べればそれでいい!それにたとえ缶詰を持って来てなくても、食べ物の心配だけは無用だ。この大自然の中ならな。
[player]ふむふむ。まぁ私も、たくさんの野生動物がいるんだし、食べ物が足りなくなることはないだろうなと思ってた。
[ジョセフ]だろう?そうだ、後でこの辺りに自然の恵みが転がってないか、探してみないか?
[player]自然の恵みか……