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ナツメとクコの実

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[シンシア] 「薬膳シイタケ蒸し春巻き」完成!
[客A] すっごい薬っぽい匂い……これ本当に美味しいの? もはや薬を飲んだほうがいいんじゃ?
[客B] 健康的な味と言いますか……こういう組み合わせも、案外悪くないですね。昨日の徹夜で失った活力が蘇ってくる感じがします! おかわりください!
[琳琅] なぜ、なぜシイタケ……シイタケを、入れた……うぅっ……{var:Shake}
[-] 後で店員さんが教えてくれたのだが、一人で三十皿を平らげたお客さんは、蒸し春巻きに入っている細切りシイタケを全て取り除き、一つのお皿に積み上げていたそうだ。なんて食い意地だ……。
[-] しばらく調理を続け、私もシンシアさんもくたくたになった。お客さん達の笑顔……時には怒りや悲しみの表情も見つつ、充実した数時間を過ごせた。
「竹雲」本店 個室
[-] 撤収後、梅さんに「竹雲」のレストランでお茶をしないかと誘われた。
[player] まさか私達の料理があまりにもヤバイ代物だったせいで、事務トップの呼び出しを食らうことになるとは……
[梅] ふふっ、違うわ。今日はこれを渡しに来たの。
[player] え、これ……
[-] 梅さんは立ち上がり、小さな鉢植えを差し出した。
[梅] 観賞用の金柑よ。周年祭を準備している間、あなたはとてもよく頑張っていた……「竹雲」の誰もが、その様子を目にしていたわ。一緒に働いた人からの評価も等しく高かった。
[梅] 「竹雲」を代表して、そして友人として、あなたに感謝します。
[梅] 金柑には、「キャリアの成功」という意味が込められているの。受け取って。
[player] 梅さん……うう、「竹雲」の福利厚生は、本当に手厚くて素晴らしいものでした……!
しるし入手:金柑の鉢植え
[-] 数日間かけて習得した「上司を喜ばせる技術」を披露しようとしたその時、蘭さんから電話がかかってきた。「竹雲」のメインエントランスで会いましょう、と。
「竹雲」本店 メインエントランス
[-] エントランスに到着すると、蘭さんの他には梅さんと九華さん、そしてなんと南さんもそこで待っていた。
[南楓花] こんな時間にお呼び立てしてごめんあそばせ。実はこちらの四人から、もう一つのプロモーション案が提案されましたの。
[-] 九華さんが軽やかな足取りで私の傍までやって来て、何やら含みのある笑顔でスマホを取り出し、動画を再生した。その内容は、姫川さんによる私と九華さんの「対決」配信のアーカイブ、梅さんが撮影していたらしい帳簿に向かって悩む私の背中の写真、シンシアさんがCatChatに投稿した、グルメフェスでの私とのツーショット……これらの素材を一本の動画に編集したものだった。
[player] これはいったい……?
[蘭] 有名人や著名人をアンバサダーにするのは、プロモーションとして確かに有効です。ですが、他にも「竹雲」の魅力を伝える方法はあります。そのうちの一つは、このようにドキュメンタリー形式で、「竹雲」の周年祭に向けたきめ細やかな準備と、社員達の企業愛を伝える方法です。
[南楓花] そうなると、私の忠実な秘書さん、あなたこそ最適な主人公となりますの。周年祭の準備のほとんどに関わっていて、どの現場でもあなたの姿がありましたものね。
[南楓花] このドキュメンタリーも、あと最後のパートでようやく完成しますの。それは、主人公であるあなたが、「竹雲」で働いた感想をお話するパートですのよ。
[九華] えへへ、大丈夫だよ。もしこのドキュメンタリーに続編があったら、あたしがうんと褒めてあげる。
[十念] ぼ、僕だってそうします。
[梅] では……始めましょう。
[-] 梅さんがカメラを構えたので、とりあえず何か言おうとしたのだが、ここ数日間で感じた「竹雲」のあれこれが立て続けに思い起こされて、言葉に詰まってしまった。
[九華] もう、もっと自然な表情してよ!
[十念] 服の裾が皺になってますよ。
[-] なんとかカメラに向かってひねり出した言葉、それは……
「皆さん、ようこそ、『竹雲』へ!」//n「そして『竹雲』周年祭へ!」