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番号札を挙げる

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価格が下がるにつれて入札者も増え、リスクも増していく……今のうちに競り落としてしまおう。どうせ玖辻はお金には困っていないだろうし。
そこまで考えて思い切って番号札を掲げると、せり人は私の方を向いて頷き、落札価格確認の段階に入った。
[競り人]1000万、一回。
[競り人]1000万、二回。
[競り人]1000万、三回。
[競り人]「純金花茶」は1000万コインで落札どす。十七番さん、おめでとうさんどす。
乾いた木づちの音が鳴り響き、私はこの花を競り落とすことが出来た。ノアと喜びをわかち合おうとしたが、それより早く隣からため息が聞こえてきた。
[ノア]おしまい。