やっぱりこのまま待つ

過去二年の落札価格と比べると、大きな差はないようだ。つまり、相場としては妥当なものと思われる。だから私は、適切な価格範囲になるまで待つことにした。
せり人が価格を下げ続けていると、意外にも900万コインの時点で番号札が挙がった。先ほどの「純金花茶」の落札価格が例年よりも高かったせいかはわからないが、それが会場にいる客を刺激した。ノアがさっき教えてくれた情報の通り、今年の花が去年よりも見栄えがいいのもあって、常連客には一種のサインのように感じられたのかもしれない。
よく考えないと……