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私の番号札で参加出来るオークションでは、全部で三種の切り花しか出品されていない。そのうちの一つが先ほど売れてしまった。現在の値上げ傾向からして、三つ目の花は下手したら更に高くなるかもしれない。
玖辻から渡された資金はたったの1000万だ。次の花を競り落とせなくなるよりは、この花に賭けた方がいい。そう思い、私は札を掲げた。
今回は私ともう一人の入札者が札を挙げた。オークションのルールに則り、私たち二人で増額式オークションを行う。900万コインを最低価格として、50万ずつ値上げしていくのだ。
相手が先に札を挙げたから、私が先に価格を提示することになる。
[player]950万。
[競り人]950万、一回。
[競り人]950万、二回。
[競り人]950万、三回。
[競り人]「紅珊瑚のミヤマシキミ」は950万コインで落札どす。十七番のお客はん、おめでとうさんどす。
乾いた木づちの音が鳴り響き、私はこの花束を競り落とすことが出来た。相手は増額しなかった。彼は1000万までは出そうと思わなかったのだろう。それもそうだ、1000万で落札したかったのら、とっくに札を挙げていたはずだし。
ノアと喜びをわかち合うより早く、隣からため息が聞こえてきた。
[ノア]おしまい。
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